第三段 万にいみじくとも

こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。

この企画も始めて見ると、だんだん本来の仕事とは関係なく、趣味の方に近づいてくる気がしますが・・・

まぁ行けるところまで行ってみよう、ということで、第三段です。

原文

万にいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の盃の底なき心地ぞすべき。

露霜にしほたれて、所定めずまどひ歩き、親の諫め、世の謗りをつつむに心の暇なく、あふさきるさに思ひ乱れ、さるは、独り寝がちに、まどろむ夜なきこそをかしけれ。

さりとて、ひたすらたはれたる方にはあらで、女にたやすからず思はれんこそ、あらまほしかるべきわざなれ。

現代語訳(適当です)

全てに秀でていても、色恋に興味がない男は、とても物足りなく、玉でできた盃の底がないような感じがするだろう。

露や霜に濡れて、いろんなところを惑い歩き、親からの注意や世間からもあれこれ言われて心の余裕もなく、あれやこれやと思い乱れ、結局は独りで寝ることが多くなり、眠れない夜を過ごすようなことこそ面白い。

とはいえ、ひたすらに溺れるようではなく、女性に軽く扱われないように思われないぐらいが、望ましいだろう。

感想

この段は、兼好法師にだいぶ賛成です。

色恋でも趣味でも何でも良いので、仕事だけじゃなくて人間味がある人の方が良いです。

機械が仕事をしているんじゃないので、どこか人間味がある人と仕事をしたいです。逆に機械に出来ることは機械に任せて、人間は人間じゃないとできない仕事をしないといけません。

 

露霜に濡れて、いろんなところをさまよい歩くほど色恋に夢中になるのも考えものですが・・・

とはいえ、人生は一回きりなので、一度ぐらいはそのぐらいの大恋愛をした方が得(?)という気もします。

私も20代の時に失恋というか、付き合っていた彼女にふられて、当てもなくバイクで走り回ったり、悶々と眠れない夜を過ごしたこともありましたが、それも今となっては良い思い出だったりします。

人の喜怒哀楽の感情が分かるようになると、人間に深みも出ますしね。

 

若い頃は周りの目も結構気にした方で、お互い気になってただろう女性と結局何も進展しなかったこともありましたが、今となってはそんなことを気にせずに、あの時にもう少しの勇気があったら、全く違う人生になっただろうな、と思うこともあります。

まぁそれが運命というものなんだろう、ということで、後悔しているわけではないですが、年をとってくると周りの目がほとんど気にならなくなってくるので、あの時の自分に「周りから冷やかされるかもしれないけど、気にせずいっちゃえよ」と言いたくなる気もあります。

 

このブログを読んでいただいた若い方には、周りの目なんか気にせず、大いに恋愛をして欲しいと思います。

まぁ無責任ではありますが(笑)

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