第十五段:いづくにもあれ

原文

いづくにもあれ、しばし旅立ちたるこそ、目さむる心地すれ。そのわたり、ここかしこ見ありき、ゐなかびたる所、山里などは、いと目慣れぬことのみぞ多かる。都へたよりもとめて文やる、「そのことかのこと、便宜に。忘るな」など言ひやるこそをかしけれ。さやうの所にてこそ、よろづに心づかひせらるれ。持てる調度まで、よきはよく、能ある人、かたちよき人も、常よりはをかしとこそ見ゆれ。

寺・社などにしのびてこもりたるもをかし。

現代語訳(適当です)

どこでもあれ、しばらく旅に出るのは、目が覚めるような気持ちがするものだ。その辺りで、ここかしこ見歩くと、田舎びた所や山里などは、ほとんど見慣れないことばかり多い。都へ便りをするのに手紙を送る際、「あのことやこのことを便宜しておいて。忘れるな。」などと言うのは面白いものだ。このような所だからこそ、万事に心遣いをするようになる。持っている調度まで良いものは良く、才能がある人や見た目が良い人も、通常よりも優れて見える。

寺や神社などに、しのんで籠ってみるのも面白い。

感想

旅はいいですね。

本当、どこでも良いので、いつもとは違う場所に行くと、新鮮な気持ちになれます。

会社員時代は、出張をわざと週末に絡めて、一日余分に泊まって観光して帰る、ということも結構やってました。

本当はいけないのですが、もう時効だと思うので^^

 

若い頃は、「死ぬまでにサグラダファミリアに行きたい」とか思っていましたが、今はそれほどでもないです。

今、海外で行きたいところと言えば、ボルネオ島でしょうか。

オランウータンと触れ合える場所があるようで、オランウータンの赤ちゃんと触れ合いたいです。ちょっと精神的に疲れているのかもしれません^^

また、若い頃は全く興味が無かったですが、御朱印帳を作って寺社巡りなんかも、今はいいな、と思います。本当、年を取ったな、という感じですね。

 

兼好さんの時代には、スマホはおろか、郵便制度も無かったので、都へ連絡するのも一苦労だったでしょう。

今は、どこに居てもスマホで連絡できるし、風景が良かったらSNSに投稿したりする、という便利になった反面、忙しい世の中になりました。

不便を楽しむ、というのも一つの醍醐味で、スマホが無かった頃を懐かしく思ったりしますが、そうは言いつつ、文明の利器は手放せないものです。

 

そもそも、僕の祖先をたどっていくと、室町時代の祖先は農民だったと思うので、旅行すらしていない可能性が高いです。

とはいえ、30年を一世代とすると、自分の21世代前ということで、2の21乗、209万7152人は祖先の可能性があるので、何人かは武士だったり貴族だったりする可能性も高いですね。

当時の人口は1000万人ぐらいらしいので、5人に一人は祖先です。

そうなってくると、同じ人の種が重複しているという可能性も高く・・・

 

と、そんなことを考えても仕方がないので、このブログをたまたま読んでくださった方も、もしかしたら同じ祖先かもしれませんね^^

 

まぁともあれ、早くコロナが収束して、いろんなところに行ける世の中になって欲しいものです。