こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。
在庫管理に関する記事を書いているので、在庫管理に関するお仕事の依頼をいただくことが結構あります。
で、在庫管理のシステムを作る際に、新商品のSKUを簡単に作れるようにしておくと喜ばれることが多いので、今回はSKUをエクセルで簡単に作る方法について記事を書いてみました。
頭の中で考えながらSKUの番号を作っていくと、結構時間がかかりますし、たまに間違えることもあります。
何も考えなくてもSKUの番号が出来上がるようになれば、仕事もグッと楽になりますし、他のことに時間をかけることが出来るようになりますよ。
なお、SKUの作り方と、商品コード(品番や型番)の作り方はほとんど一緒なので、メーカーなどで商品コードを作られている方は、SKUを商品コードと読みかえて読んでみて下さいね。
SKUとは?
SKUというのは、最初は聞き慣れない言葉ですよね。
エスケーユーと読んだり、スキューと読む場合もあるようですが、Stock Keeping Unit の頭文字を取って、SKUという名前になっています。
Stockは在庫、Keepは持つというか保管するというか、まぁキープするUnit(単位)ということで、在庫する単位ということです。
で、ほとんどの業種の場合、在庫する単位と販売する単位は同じであることが多いので、販売する単位と理解しても問題ありません。
例えばレトルトのカレー(ククレカレーでもボンカレーでも思い浮かべて下さい)がありますよね。大体カレーは、甘口だったり辛口だったり、辛さによって商品が分かれています。
在庫する単位(=販売する単位)は、甘口、中辛、辛口であれば3種類なので、SKUは3つです。
これにそれぞれ普通盛りと大盛りの量の違いがあれば、
甘口普通盛り | 1SKU |
甘口大盛り | 1SKU |
中辛普通盛り | 1SKU |
中辛大盛り | 1SKU |
辛口普通盛り | 1SKU |
辛口大盛り | 1SKU |
と、SKUは6つになります。
・・・と書いてきましたが、あまり難しいことは考えずに、スーパーやデパートなどで販売されている単位がSKUと思ってほぼ問題ありません。
アマゾンなどのネット販売でも、販売される単位がSKUです。
SKUは在庫管理や販売管理するためのものなので、販売する側(メーカーや小売、ネット販売の場合は出品者)が自由にSKUの番号を決めて問題ありません。
自由に決めて問題ないので、自分が管理しやすいようなルールを作って運用していきましょうね。
SKUの番号を作る際の考え方
番号にダブりが無いこと(必須)
SKUの番号は、販売や在庫を管理するためのものなので、ダブりがあってはいけません。
ダブりがあると、在庫や販売が違う商品で二重に計上されてしまうので、訳が分からなくなってしまいます^^
ダブりが無いようにするために、通常はSKUの番号のどこかに連番を入れていきます。
分かりやすいこと
SKUの番号は、最低限ダブりさえなければ、個別の商品ごとに販売や在庫を追っていけるようになります。
ですが、せっかく番号を取るので、自分で分かりやすいような番号のルールを付けましょう。
SKUの番号を見ただけで「これはTシャツだな」とか「これは小物類だな」とか分かれば、販売データや在庫データを見た時に分かりやすくなります。
また、入庫処理、出庫処理などをする場合も、SKU番号を見て在庫場所が分かったりすると、実際の作業が楽になります。
自社にとって重要な商品情報を3~5種類、SKUの番号の中に入れ込んでおきましょう。
言葉だけでは少し分かりにくいので、後で実例で紹介していきますね。
桁数を揃える
これは必須ではありませんが、SKU番号の桁数を揃えておいた方が、後で管理が楽になります。
(※システム上、桁数揃えが必須になっているシステムもあると思います。)
エクセル等の集計ツールで、販売データや在庫データを集計する際に、関数を使って「○桁目だけを取り出す」ということができるので、後から集計が楽になります。(具体的には、LEFT関数、MID関数などの、文字列操作関数を使います)
可能であれば桁数を揃えておきましょう。
ネット販売などでは、販売単価をSKU番号に入れておきましょう、と推奨している方もいるので、そういう場合は桁数は揃いません。2,000円の商品もありますし、10,000円の商品もありますので、どうしても桁が合わなくなります。
ただ、SKUの番号を見た時に商品情報が分かりやすい方が桁数を揃えるより重要なので、価格情報が重要なのであれば、入れておいても問題ありません。
数字だけのSKUにしない
システム上は数字だけのSKU番号にしても問題ありませんが、後からいろいろエクセル等で集計することも考えて、SKU番号の中にアルファベットを最低1文字入れておくようにしましょう。
エクセルは表計算のソフトなので、基本的に数字は”数”として認識します。なので、数字だけのSKU番号にしてしまうと、エクセルに落とした時に下の図のようになってしまうことがあります。
表示だけの問題なら良いのですが、VLOOKUP関数などの便利な関数が使えなかったりするので、エクセルが「数字じゃない」と認識できるように、SKU番号にアルファベットを混ぜてあげましょう。
SKU番号の分かりやすさから言っても、数字だけよりもアルファベットを入れた方が分かりやすいという効果もあります。電話番号でも、クレジットカード番号の表示でも、数字だけの桁数の多い番号は、人間が認識しやすくするために、途中にハイフン(-)やスペースを入れているはずです。
SKUを頻繁に手入力する場合は、数字の方がテンキーが使えて入力が早くなるため数字の割合を増やす、という考え方もありますが、その場合でも1つか2つはアルファベットを入れましょう。
SKU番号を作成するテクニック
だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、ここから実際にSKU番号を作成するテクニックを紹介していきますね。
まず最初の例として、アパレル業界でのSKUの作成例を取り上げてみます。
アパレル業界でのSKU作成例
1. 管理する項目を決める
まず、SKUを管理していく項目を決めます。
業種ごと、会社の規模によって管理する項目は違ってきますが、大体 3~5 ぐらいの項目が目安です。
それ以上になっても管理しきれませんし(人間の管理能力を超える)、2項目だとせっかく管理できるのにもったいないです。
アパレル業界だと、だいたい「発売年」「シーズン」「商品区分」「色」「サイズ」で管理されていることが多いと思います。
管理する項目を決めて、まず下のような表を作りましょう。
2. 項目ごとに記号や番号を決めていく
それぞれの管理する項目ごとに、SKU番号に表示させる記号や番号を決めていきます。
記号や番号を決めたら、また下のような表を作って下さい。
各項目の記号は、自分が分かりやすいものにしましょう。
記号の種類は後から増やしても大丈夫ですが、桁数を合わせるために 10種類以上になりそうな場合は、記号を2桁にしておきましょう。
なお、数字を二桁にする(先頭に0を表示させる)には、0の前にアポストロフィー(’)を入力しておきます。
3. リストから入力するようにする
各項目ごとの値は、入力間違いなどで変わってしまうことがないように、リストから入力するようにしておきます。
こうしておくことで、SKUの設定ミスを防ぐことができます。
リストから設定する方法は、データタブ → データの入力規則 から設定します。
この辺は、文章や画像よりも動画で説明した方が早いので、動画にしてみました。
4. 記号をVLOOKUP関数でひっぱってくる
それぞれの項目の入力値に対応した記号を、VLOOKUP関数で取ってきます。
上記の例だと、シーズンの番号(記号)は、「C5の値(春夏)を、F4からG6の中から探して、その2つめの列をとってくる」ということをVLOOKUP関数を使って行なっています。
VLOOKUP関数を使ったことがない方には少し難しいかもしれませんので、分かりにくい方は動画をご覧くださいね。
5. 連番をテキスト関数で桁を合わせる
年度の部分は、そんなに考えることは無く、=(イコール)で引っ張ってくれば良いだけですが、連番の場合は2桁、3桁にするのを毎回手入力でアポストロフィーを入れていくのは面倒です。
連番の数字を複数桁にするためには、TEXT関数を使用して桁数を揃えます。
=TEXT(元となる値,表示させる形式)
今回の例では、C9のセルの値を、3桁で表示させるために “000” という表示形式に変換しています。
これでSKUの番号に表示させる全ての要素が揃いましたね。
6. 全ての項目をつなぎ合わせる
ここまで取得した各項目ごとの記号をつなぎ合わせる(結合する)ためには、CONCATENATE関数というのを使います。
=CONCATENATE(値1,値2,値3・・・)
CONCATENATEと書いて、あとはカッコの中につなぎ合わせる値をカンマで区切って入力するだけです。
セルの値だけではなく、好きな文字を入れることもできるので、今回はハイフンを入れてみました。
17PR04BR2-001 なんて、なかなかカッコイイ番号です。(なんとなく)
「2017年発売の定番でワンピースの茶色のM」というのも、慣れたらこれで分かりますよね。
雑貨屋さんのSKU作成例
基本的にはSKUの作り方はどの業種でも同じやり方になりますが、商品区分に大分類があって、その下にさらに分類がある場合は、リストの作り方に少し工夫が必要です。
例として雑貨屋さんのSKU作成例を取り上げてみます。
管理する項目を列挙していくところまでは同じですが、大分類と小分類に分けた表を作ります。
大分類の名前を横軸にして、その下に小分類を列挙していきます。
この場合は小分類の名前から記号を呼び出すのはややこしいので、大分類ごとに記号を直接呼び出すようにしてみます。
分類名の直下に記号を入れるようにして下さい。
ここから先は、HLOOKUP関数で記号を呼び出して、小分類に名前を付けて、大分類からINDIRECT関数で小分類を引っ張ってきて・・・と、かなりややこしいので、動画で説明させていただきますね。
最初の設定だけは面倒ですが、一回設定すると二回目からは楽です。
最後に
「SKUを簡単に作る方法」というタイトルでしたが、最初の設定だけは少し難しいですね。
でも一回作っておけば、次からは考えることなくSKUの番号設定ができるようになりますので、ぜひ試してみて下さい。
サンプルファイルは、下記のフォームからダウンロードできます。
登録したメールアドレスにメールが届きますので、そちらからダウンロードをお願いします。
(取得した個人情報については、個人情報保護法に則って、適切に対応します。)
※Gmailの方は、迷惑メールに分類されることもありますので、メールが届かない場合は迷惑メールフォルダもご確認ください。
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