意思決定マトリクスをエクセルで数式を使って作る方法

こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。

人生には様々な分岐点があります。

自分の場合、もし違う大学に入っていれば全く違う人生だったでしょうし、前職の会社に入っていなければ違った職務経験をしていたはずなので、このようなブログを書いていることは無かったはずです。

ビジネスでも、いろんな分岐点・選択肢があって、その際に出来るだけ合理的に判断して、正しいと思われる決断を下していきたいですよね。

そんな時に役立つのが、意思決定マトリクスです。

意思決定マトリクスについては、いろんな紹介記事があったのですが、具体的な作り方について書いた記事は無かったので、今回はエクセルの数式を使った作り方を紹介します。

意思決定マトリクスとは

この記事に検索してたどりついた方には説明は不要かもしれませんが、意思決定マトリクスは、複数の案・選択肢がある場合に、合理的に結論を導き出すためのツールです。

頭の中で考えると、同じことを堂々巡りで考えてしまったり、感情に左右された判断を下してしまうことがあります。

マトリクス(≒縦軸、横軸のある表)を使って、実際に書き表して、評価軸に従って計算をしてみることで、その時点での合理的な結論を導き出すことができます。

後から「なぜ、この決断をしたのかな?」ということも無くなりますし、会議等で他人が納得しやすい発表もできます。

選択肢が複数あって迷いがある場合は、ぜひ使ってみてください。

余談ですが、マトリクス(Matrix)は、英語では数学の行列を示す言葉です。というか、この記事を書くために調べて、そうだったのか、という感じです^^

意思決定マトリクスの作り方

では実際に、意思決定マトリクスを作っていきましょう。

意思決定マトリクスの意義についても、作りながらの方が分かりやすいと思います。

 

事例として何が良いかと思いましたが、今、私が書いているこの記事について、「どうしてこの記事を書いているか」を事例にしてみます。

(もちろん普段はマトリクスなど作らずに、大体で記事作成に入っていますが)

 

縦軸には選択肢・案を入力する

縦軸には、選択肢・案を入力します。

今、私が書いているこの記事も、いくつかブログに書きたいことのストックがあって、その中から選んで書いています。

まずはそれらの案をリストアップして記載していきます。

もう少しありますが、この辺で

横軸には評価軸を入力する

横軸には、選択肢を評価するための評価軸(観点)を入力します。

このブログも仕事の一環ですので、マネタイズ(売上に貢献するか)、SEO(SEO的に強い記事が書けるか)、独自性(何かの受け売りじゃなくて、自分自身の味を出せるか)、モチベーション(書くためのやる気が出せるか)、作成時間(あまり時間をかけずに作成できるか)、という観点で、案を評価していくことにします。

一番右には、それぞれの評価軸で合計した点を表示する欄を作ります。

見た目は後から整えることにします

新商品であれば、「予測売上」「画期性」「話題性」「相乗効果」「リスク」とかの評価軸になるでしょうか。

選択肢に合った、適切な評価軸を作ってください。

評価軸の重みづけをする

それぞれの評価軸について、重みづけをしていきます。

単純にx2、x3等している例もありますが、私自身は100点満点になった方が分かりやすいので、合計が100になるように重みづけをするようにしています。

私のブログについては、記事を書く気になるか、というモチベーションが一番大きいので、40点配分しました。

売上につながるか、自分なりの独自性があるか、というのもそれなりに重要なので、20点ずつ配分しています。

SEOは最近あまり興味がないので10点、作成時間も短いに越したことはないですが、作成時間が長くても効果があった方が良いので、10点の配分にしています。

 

重みづけはとても重要で、「組織として何を重要視しているのか」ということがはっきりしていないと、後から議論が白熱することになってしまいます。

「ハイリスクハイリターン」の選択肢と「ローリスクローリターン」の選択肢があった場合、リスクにどれだけ重きを置くかによって、全く違った結果になります。組織には冒険的な人、慎重な人、いろんな方がいますので、何を重要視するのかをコンセンサスを取っておきましょう。

それぞれの評価軸で評価をしていく

あとは、それぞれの評価軸に従って評価していきましょう。

今回は5段階評価で評価していくことにします。

分かりにくい方は、先に書式を整えておいた方が良いです

人によって評価点が違ってくることもありますので、公平に評価するようにしてくださいね。

数式を使って合計点を出す

ここからはエクセルの計算機能が役立ちます。

  • まず、それぞれの評価点と重みづけの配分点を掛け算して、
  • 掛け算の結果を合計して
  • 評価軸の数で割る

と、100点満点での評価点になります。

あまりカッコよい式ではないですが

数式をコピーするために、絶対参照をする必要があります。

絶対参照を理解していないと作るのが難しいため、一応動画を作ってみました。

(絶対参照、相対参照の意味が分からない方は、こちらの記事もご参考にしてください)

あとは適当に書式を整えて、これで意思決定マトリクスが完成しました。

余談ですが、ちょうど実際に意思決定マトリクスを作ってもらいたいクライアントの方がいて、説明をするのであれば記事を書こう、ということで、モチベーションが一番高かったのです。

「IT導入におけるキャズム」「ITと道徳」等、普段頭のなかで考えていて、ブログに書きたいなと思うことはたくさんあるのですが、こうしてみるとなかなか書くことが無さそうですね。

やはり仕事なので、求められているものを書く、ということになってきますね。

まとめ

意思決定マトリクスは、いくつかの選択肢がある場合、判断基準に則って合理的な判断を導き出すために、とても有効なツールです。

私も今回、ブログ記事について実際に作ってみて、ブログの記事の優先順位について新たな発見がありました。

多少のエクセルの知識が必要ですので、会社で意思決定に関わっている方、相談事に対応する士業の方など、ぜひマスターしてみてください。

なお、今回作ったファイルは、一応ダウンロードできるようにしておきます。

その他にもお役立ちテンプレートを掲載していますので、必要なものがありましたらダウンロードしてみてくださいね。

お役立ち集