MZプラットフォームの導入を検討中の方へ

こんにちは、広島県東広島市のITコーディネータ、吉井良平です。

MZプラットフォームは、産総研が開発したシステム開発ツールです。

産総研の中国センターが、地元にある関係で、御縁があってMZプラットフォームの普及活動に携わっています。

MZプラットフォームのことを知って、実際に使ってみようかと思っても、なかなか情報が少なく、迷っている方も多いと思います。

実際に普及活動をしている立場から、MZの導入に関して知っておいた方が良いことをまとめてみましたので、ご参考にしてくださいね。

MZプラットフォームとは

繰り返しますが、MZプラットフォームとは、産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)が開発した、システムの開発ツールです。

機能ごとに「コンポーネント」という部品になっており、コンポーネントを組み合わせていくことで、システムを作っていきます。流行りの言葉で言うと、「ローコード開発ツール」ということになります。

実際の画面を見た方が分かりやすいと思いますので、簡単な動画を作ってみました。

 

他のツールとMZプラットフォームの比較

他のツールと比較した方がMZプラットフォームの特徴が分かりやすいと思いますので、私が使ったことのある他のツールと比較してみます。

ローコード開発ツールとしてサイボウズ社の「kintone」、手軽に導入できるという意味でマイクロソフトの「Access」と比較していきます。

難易度での比較

おそらく一番気になるのは、システム開発の難易度ではないでしょうか?

実際に使えるものを作るために、どのぐらいの習熟期間が必要か、というのが重要ですよね。

あくまで私の個人的な感想、評価ではありますが、○×△で評価していきます。

MZプラットフォームの難易度 △

実際にMZを使ってみた感想としては、最初慣れるまでにかなり時間がかかります。

コンポーネントの組み合わせでシステムを作るので、「どんなコンポーネントがあるのか」「それぞれのコンポーネントに対して、どんな命令ができるのか」というのが頭に入ってくるまでに、結構時間がかかります。

また、最初のチュートリアルの部分が少ない、使い方に関する本があるわけではないので、未経験の方にはそれなりに時間がかかると思います。

全くシステムに触ったことが無い方ですと、最初にSQLの設定をするのもそれなりにハードルが高いです。

とはいえ、慣れたら使いやすいという面もありますので、難易度の評価としては△としておきます。

kintoneの難易度 △

kintoneは、入力画面を作ったりするのは、とても簡単です。

ユーザー登録さえしてしまえば、割とすぐに開発に取り掛かることができます。

ただ、最初のハードルはとても低いのですが、ちょっとしたことでもJavascriptで作りこみをしないといけなくなるので、それも加味して難易度の評価としては△という感じです。

エクセルに慣れている方から「文字の色を変えて欲しい」という要望が出がちだったり、印刷関係の機能が不十分だったり、結局何らかの手を加えることになることが多いです。

 

アクセスの難易度 △

アクセスは、マイクロソフトの365(ビジネス)に最初から入っているソフトですし、アクセスの教本もたくさん販売されていますので、取り掛かりは簡単だと思います。

これも最初のハードルは低いのですが、やはり仕事で使うものを作るとすると、ほとんどVBAを使うことが必須になってきます。

また、機能がたくさんありますので、私も正直なところレポートの細かい設定等、よく分かっていない機能がたくさんあります。

これもkintoneと同様に、最初の取っ掛かりは簡単ですが、後から勉強しないといけないことが多いので、難易度の評価としては△という感じです。

 

結局のところ、どんなツールでも良い面と悪い面がありますので、難易度はどれもあまり変わらない、というのが私の個人的な感想です。

 

機能面での比較

では、次に機能面について比較していきます。

比較対象ツール全ての機能を知っているわけではありませんので、私の分かる範囲での評価です。

MZプラットフォームの機能

MZプラットフォームは、さすがに国の機関が作ったツールですので、かなり多機能です。

特に、データを見える化する部分(グラフを作ったり)は優れていると思います。

データベースの部分はSQLなので、SQLができるデータ加工も基本的にすべてできます。

残念な点は、クラウドに対応していない(できないことはないらしい)ので、何らかのネットワークが組まれている組織じゃないと導入が難しい、という点です。

 

kintoneの機能

kintoneは、クラウド対応ということで、スマホやタブレットでも使える、というのが利点です。

(MZプラットフォームも、構内WI-FIであればスマホ等でも使えます。頑張って作れば、ですが)

あとは、入力した内容にコメント等を入力したり、エスカレーション(申請、承認)が必要な業務のワークフローが作りやすいのも利点だと思います。

(もちろん、MZやアクセスをワークフロー的に作ればできますが、結構面倒です)

 

反面、データベースとしての機能は弱いと感じています。単純にデータを入力したものがデータベースになるという感じで、リレーションをかけていろいろやるのは難しいと思います。

あと、印刷関係や見た目の調整機能も弱いです。元々、そういう思想で作られていないという面があります。

アクセスの機能

アクセスも、さすがマイクロソフトの基幹ソフトの一つなので、いろいろ多機能です。

アクセスの問題点としては、入力とデータベースが同じ位置にあるので、複数人での同時使用に制限がある点です。規模が大きなシステムには向いていません。

 

機能面でいうと、クラウドで使う必要があればkintone、ローカルで使って複数人で使用する可能性がある場合はMZ、少人数であればアクセス、ということになると思います。

余談ですが、一人でしか使わないのであれば、エクセルが良いと思います。

 

コスト面での比較

最後に、コスト面での比較です。

システムを使うための初期コスト、ランニングコストも重要ですよね。

MZプラットフォームのコスト

MZプラットフォームは、国の研究機関が作ったものなので、無償配布されています。(ユーザー登録は必要です)

MZを使っていく上で必須のSQLに関しても、無償で使うことができるので、基本的には初期コストもランニングコストもかかりません。

作り方が特殊なので、最初にMZを習熟するための教育コストは、他の仕組みより高めになると思います。

kintoneのコスト

kintoneは、クラウドのサブスク型の課金体系になっています。

素のデータベースであれば、780円/月/ユーザーですが、カスタマイズをする場合は1,500円/月/ユーザーです。(2021年4月現在)

初期コストはかかりませんが、月々1500円 x ユーザー数のお金がかかります。

なので、10ユーザーであれば 15,000円 x 12か月で180,000円/年のランニングコストがかかるということです。

アクセスのコスト

アクセスは、マイクロソフトオフィスのビジネスパッケージであれば、最初から入っていると思いますので、初期コストはほぼ不要です。

アクセスの隠れたコストとしては、作ったシステムがメンテナンスしにくい、という点があると感じています。前任者が作ったアクセスで、機能を付け加えないといけないのに、昔のままで業務を続けている・・・という例は結構多いのではないでしょうか。

私も正直、人が作ったアクセスを紐解くのは、かなりストレスです。作った人によって作り方がだいぶ違ってきます。

この意味では、MZの方がコンポーネントの関係を追っていけば良い、人によらずに作り方がある程度同じになるので、メンテナンスのコストは低いです。

MZプラットフォームの利用が向いている会社

以上の観点から、私としてはMZプラットフォームが向くのは、下記のような会社だと思っています。

クラウドでシステムを作る必要がない

機能面で紹介したように、MZはクラウドに対応していないので、社外で入力が必要なシステムの構築には向いていません。

ローカルでネットワーク環境がある

SQLに対して、ローカルネットワークでアクセスする必要がありますので、ローカルネットワークの環境が必要です。

エクセルでの管理に限界を感じている

データの確実性、複数人での同時使用等でエクセルでの管理に限界を感じている会社は、エクセルからアクセスに移行するよりも、メンテナンス性の良さからMZに移行した方が利点が多いと思います。

MZの習熟に、ある程度の時間が取れる

MZの使い方に、慣れるまで一定の時間がかかります。

kintoneやアクセスと違って、最初に使い始めるまでの環境設定(MySQLのインストール)も必要なので、やはりある程度時間が取れる会社じゃないと難しいです。

最後に

MZプラットフォームに関する情報は少ないので、他にもいろいろ疑問点があるかもしれません。

導入に関してご質問がありましたら、できるだけお答えしたいと思いますので、ご連絡いただけると嬉しいです。

また、各地の産総研の方に問い合わせをしていただければ、質問に答えてもらえると思います。

今後も、できるだけMZプラットフォームに関する情報発信をしていこうと思っています。

システム導入に興味を持った方は、下記の記事を参考にしてみてください。

参考記事:初めてシステムを作る方へ:システム開発の考え方と手順

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