四捨五入だけじゃもったいない!Excel ROUND関数の使い方

こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。

 

エクセルにはたくさんの関数がありますが、「一生使うことないだろうな・・・」というものも結構あります。(必要な人がいるから、その関数があるんでしょうけど)

関数の中で絶対に覚えておかないといけないのは、普通の人だったら10~20ぐらいだと思いますが、その中でも最も重要なものの一つ「ROUND関数」を、今回は詳しく紹介していきますね。

ただ四捨五入させるだけだともったいない、いろいろ応用が効く関数です。必ずマスターしましょう!

 

ROUND関数とは

 

まず、ROUND関数とは何かというと 四捨五入をする関数です。

仲間の関数として、切り上げをする「ROUNDUP関数」、切り捨てをする「ROUNDDOWN関数」があります。覚えやすいので、これも一緒に覚えてしまいましょう。

ROUNDとは、英語で丸いという意味ですよね。日本語でも、端数を調整することを「数値を丸める」と言うことがあるので、日本語の語感とも近くて覚えやすいですね。

 

使い方

=ROUND(数値,桁数)

数値の部分には、他のセルを参照しても良いですし、数値そのものを入れても大丈夫です。

計算式を入れても大丈夫です。

桁数に関しては、少数点部分は正の数で、整数部分は 負の数(-付き)で指定します。

こう書くと分かりにくいと思うので、具体例で表しますね。

 

具体例

ROUND関数使用例

カッコの中の桁数を0に指定すると、整数になっています。

桁数を正の数(1~3)にすると、それぞれ小数点1位~3位で四捨五入されています。

桁数を負の数(-1~-3)にすると、10の位、100の位、1000の位で四捨五入されます。

対応関係を図にすると、こうなります。

ROUND関数対応表

書式設定との違い

実際の仕事では、四捨五入が必要ないことも多いので、表示だけを書式設定で四捨五入していることもよくあります。

ここをクリックしている場合

この場合は、数値はそのままで書式だけが四捨五入されているので、実際の数値は四捨五入されていません。(なかなか言葉で説明しにくいので、動画を作っています。)

平均値を書式設定で四捨五入表示させた時と、ROUND関数との違い

書式設定での四捨五入表示と、ROUND関数を使った場合の四捨五入に違いがあることは、認識しておいてくださいね。

切り上げと切り捨て

切り上げの場合は ROUNDUP

切り捨ての場合は ROUNDDOWN

と、ROUNDにUPとDOWNを付け足すだけです。

UPは切り上げDOWNは切り下げ、と考えると、簡単ですよね。

同じ値を、切り捨てた場合と切り上げた場合で比較してみると、こうなります。

同じ値を計算した場合の違い

四捨五入と、切り上げ、切り捨てで、少しずつ値が変わってきていますよね。

 

ROUND関数をいろいろ応用してみよう!

ここまでの紹介だと、「なんだ、ただ四捨五入させるだけかぁ」という感じだと思います。小学校の算数の世界ですよね。

 

① 消費税の計算

なんといっても、ROUND関数が一番使用されているのは、消費税の計算でしょう。

見積書でも、請求書でも、エクセルで作られている場合は、ROUND関数(消費税の場合には、切り捨てが多いのでROUNDDOWN関数)が使われているはずです。

ROUNDDOWN関数使用例

② 値段の計算

お店でセールをする際に、「全品2割引き」などをする場合にも、ROUND関数が使えますよね。

単価を100円単位にしたりするのも、桁数を-2にすれば楽々です。

ROUND関数で値段を計算する

高度な(?)使い方としては、「4,800円、5,800円」「98円、198円」のように、キリのいいところからちょっとだけ値段を引く価格戦略がありますよね。

こういう場合は、ROUND関数で四捨五入した後に、その金額を引き算してあげれば大丈夫です。

金額の100の位を8にする方法

③ 単位に合わせる

仕入のときに、発注単位が決まっているものがあります。

ダース単位で梱包されているものは、ダース単位で仕入れないといけないとか、工場のネジなんかは100本単位で発注しないといけないとか、単価が安い品物ほど、発注単位が決まっています。

このような時にも、ROUND関数を応用して発注数を決めていきます。

ROUND関数を使って発注数を決める

あと、エクセルは時間も計算できますので、勤務時間の管理にも使えます。例えば、15分単位の給与計算になっている場合は、単位時間の15分で割っておいてから、その商と15分をかけ算すれば良いですね。

ROUND関数を使って時間を計算した場合

 

こういった単位にまとめる関数として、FLOOR関数、CEILING関数というのがありますが、ROUND関数から派生した関数なので、ROUND関数だけを覚えておけば大丈夫だと思います。

切り捨てに関しては、INT関数というのもあります。これは厳密には切り捨てではなくて「整数部分を取り出す」という関数です。INTは割と使う人は使うので、覚えておいても良いかもしれません。

 

④ データをまとめる

例えば、こんなデータがあったとします。

2014年年齢別人口

これを、もっとざっくり見たい、10歳単位にまとめて集計したいという時にも、ROUND関数が使えます。

この場合は、ちょっと文字列を数値に変える(”歳”をトル)作業がありますが、ちょっとそこは割愛してROUND関数を使ってみた例です。

(*歳を取る場合は、LEN関数とLEFT関数を組み合わせます。具体的な方法については、「これで完璧!文字列操作関数のすべて」記事を参照ください)

ROUND関数を使って値をまとめる方法

いったんまとめたい単位で割れば、その区分ごとにまとめることが出来ます。(5歳単位でまとめたい場合は、5で割れば5歳単位でまとまります。)

あまりにも大きなデータの場合は、データをある程度まとめた形で、ヒストグラム(度数分布表)を作ると分かりやすいことが良くあるのです。

こんな感じで、データをまとめる際にも、ROUND関数が使えます。

 

終わりに

 

今回はROUND関数の使い方と、具体的な使用例を紹介してみました。

エクセルの本等では、割と初めの方に出てくる簡単な関数ですが、四捨五入だけじゃなくて、いろいろな応用が効いて奥が深い関数です。

ぜひ使いこなしてくださいね。