こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。
エクセルのハイパーリンクって使っていますか?(※最近のエクセルでは、単純に「リンク」という表示になっています)
ハイパーリンクは、使いこなせばかなり効果があるのですが、実際にはあまり活用されていないように感じます。
そこで、今回はハイパーリンクを使った業務効率向上の方法を紹介します。私の経験上、1日5分以上の短縮効果はありますので、ぜひ試してみて下さいね。
ハイパーリンクとは?
まずハイパーリンクとは、どういう機能か紹介します。
文字で説明するより、動画で見た方が分かりやすいと思うので、ハイパーリンクの機能をご存じない方は動画をご覧ください。
ハイパーリンクを設定すると、
- ブラウザーを起動して、指定したアドレスのホームページを開く
- 同一ブック内の別の場所にジャンプする
- メールソフトを起動し、メッセージ作成画面を開く
- 他のブック(ファイル)を開く (エクセルだけじゃなく、他のソフトも可)
ことができるようになります。
ハイパーリンクの設定方法
1) まず、ハイパーリンクを使いたいセルを選択します。
2) 「挿入」タブのハイパーリンク(今はリンク)をクリック
もしくは、「右クリック」→「ハイパーリンク」でも、設定ができます。
3) すると、ハイパーリンクを設定するダイアログボックスが出ます。
① ホームページ(WEB)へリンクを設定する場合、または別のファイル(エクセルや他のソフト)にリンクを設定する場合に使います。ホームページにリンクを設定する場合は、⑤にアドレス(URL)を入力します。
② 使用しているブック内の別のセルや、ワークシートにリンクを設定する場合は、ここをクリックします。
③ 新しくファイルを作成する場合に使用します。(*新しくエクセルファイルができます)
④ 電子メールアドレスにリンクを設定する場合に使用します。
これで、ハイパーリンクが設定できます。
正直③は使ったことありませんでしたが、使ってみたら新しいファイルができました。(^^)
この中では、①を一番良く使うことになるはずです。
その次は②です。エクセルのシート数が増えてきた場合に、一番左端のシートに戻る場合なんかに便利です。
ほとんど、①か②しか使わないんじゃないかと思います。
ハイパーリンクの削除方法
設定方法を紹介したので、削除方法も紹介しますね。
エクセルに、WEBのアドレスやメールアドレスを入力して、エクセルが勝手にハイパーリンクを貼ってしまった場合も、この方法で削除できます。
まず、ハイパーリンクを削除したいセルを選択して、右クリック →「 ハイパーリンクの削除」をすれば、削除されます。
ハイパーリンクを使用して流れ作業化する
ハイパーリンクの使い方が分かったところで、これをどう実際の業務に活用するか、ですよね。
ホームページやメールアドレスをリンクする
企画書などで、自社のホームページとリンクしたい場合などに使うのが、普通の使い方です。
エクセルで設定したハイパーリンクは、PDFファイルに変換しても、設定が残ります。注文書や手順書などで、PDFファイルにホームページアドレスを掲載したい場合などに便利です。
・PDFファイル作成例 (*画像をクリックすると、PDFファイルがダウンロードされます。リンクしているアドレスは、商品とは無関係です。私の別サイトに飛ぶようになっています。)
よく使うファイルをハイパーリンクする
エクセルを使っていると、Aというファイルを使った後に、必ずBというファイルを使う、ということがありますよね。このような場合、先に使うAというファイルに、Bというファイルをハイパーリンクしておきます。
例えば、売上集計をして、それをいつも決まった報告書類に転記している場合は、売上集計のエクセルファイルに、報告書類をリンクしておくと、毎回ファイルを開く手間が削減されますね。
また、ルーチンで処理する業務がある場合には、このハイパーリンク機能が絶大な効果を発揮します。
例えば、私がサラリーマン時代、月末から月初にかけて下記のような一連の処理をエクセルで行なっていました。
- 営業車のガソリン使用報告書
- 車両運行記録表の提出
- 新商品の紹介実績
- 優良顧客 面談実績
- 出張予算の提出
- イベント管理表の印刷
- 勤怠届出用紙の提出
- 取引先別在庫表の印刷
- 会議報告書類提出
- 実行計画との進捗差異提出
これは覚えているものだけなので、実際はもう少しあったと思います。
これらのファイルを、一つ一つ開くのも大変です。というか、覚えられないので何かのチェック表が必要になってきますよね。
そんな場合には、チェック表自体にハイパーリンクを設定して、業務内容をクリックすれば必要なファイルが開くようにしておきます。
こうすることで、
- 一つ一つのファイルを開く手間が省ける
- 抜けモレが無くなる
- パソコン画面が整理整頓される(ファイルをデスクトップやタスクバーにまとめている方は)
という効果があります。
最初にこのチェック表”だけ”を開けば、後は他のファイルを開く作業が無くなります。「ファイルを開く」という仕事自体が無くなるのです。
抜けモレが無くなるというのも、大きな効果です。
「○○君、△△の書類が出てないよ!」と上司に言われて、何か他の作業を中断したりすることが無くなります。
何かやりかけの仕事を中断すると、5分以上のロスがありますよね。その時間が無くなります。
また上司の方も、いちいち提出書類をチェックして小言を言いたくないのです。(多くの人は)
上司の仕事効率の向上にもつながります。
「ファイルを開く」「抜けモレが無いかチェックする」という作業自体には、何の生産性もありません。利益を生まない作業に関しては、極力作業時間を減らすようにしましょう。
業務の「見える化」にもつながります
先ほどの、業務一覧と、業務で使うエクセルファイルをハイパーリンクした表は、その表自体で仕事の全容がつかめるようになっています。
リンク付きのチェックリストができているのです。
その表を見れば、何をやっているかが一目瞭然に「見える」ようになります。仕事が見えるようになると、改善点(ムリ、ムダ、ムラ)が分かりやすくなります。
月末月初のルーチン業務だけじゃなくて、流れのある仕事で、その都度作成書類があるような仕事は、試しに業務一覧と使うファイルをハイパーリンクしてみて下さい。
例えば、一つの新商品を作る場合でも、商品企画書 → 仕様書 → JANコードの取得 → 市場導入計画書等々、一連の流れがあって、その都度作成書類があるはずです。
ワークフロー(仕事の流れ)がシステム化されていない場合は、エクセルで簡易的なワークフローを作ることができるようになる、ということですね。
終わりに
先日から、私のおススメするエクセルのテクニックを紹介しています。
エクセルを効率的に使うことで、確実に作業時間の削減はできます。作業時間を削減することで、読んでいただいた方の生産性が、少しでも上がれば良いな、と思っています。
もし自分がやってみて「効果がある」と思った方法は、積極的に同僚や上司にも教えてあげてくださいね。みんなの業務が効率化できれば、少しずつでも生産性が向上していくはずです。