製作事例:鳶(とび)職の請求書発行システム

こんにちは、広島県東広島市のITコーディネータ、吉井良平です。

 

今回から、少しずつ自分の作ったシステムの事例紹介をしていこうと思います。

過去に作ったものの事例を見ていると、いろんなものを作ってきたなぁ、と感慨深いですね^^

2016年1月に一人で仕事を始めてから、ほぼ3年。3年経つと、やはりいろんな経験が出来ているな、と感じます。

 

今回は、独立したての頃に、鳶職の社長さん向けに作った請求書作成システムの事例を紹介しますね。

 

依頼の概要

 

依頼をいただいたのは、岐阜県の鳶職の社長さんです。

社員が5人いて、SNSの写真が筋肉ムキムキの「サスケ」に出てそうな方です^^

 

たまたま私のサービスを受けた人のブログを読んでいて、「なんか良さそう」ということで連絡をいただきました。

 

毎月の請求書の処理が大変で、請求書の発行に半日~丸一日かかっているとのこと。

「システム会社からの売り込みもあったが、そんなにいろんな機能は必要なく、請求書の発行だけが楽になれば良い、費用も安い方が良い」

ということで、エクセルのマクロ(VBA)を使ったシステムを作ることにしました。

 

現状の仕事の流れをヒアリング

 

まずは、現状どのような流れで請求書を発行しているかをヒアリングしました。

 

現状の流れ

  1. 日々の記録として、手帳に「○月○日、××の現場(△組)にAさんとBさんを手配」というのを書いていっていく。
  2. 締め日(20日締めと月末締めがある)になると、取引先別に現場と人数を書き出す。
  3. 取引先別に、請求書の原紙(エクセル)をコピーする。
  4. 取引先別に、日付・現場名・人数・日当たり単価(人工:にんく)を入力していく。人工は取引先ごとに違う。

 

時間がかかるポイント

 

手帳の内容がゴチャゴチャして分かりにくい

日々の予定を手帳に記しているが、予定と実績が混在していて、どちらが正しいのかが分かりにくい。また、狭い場所に文字を書きこんでいるため、後で読みにくい。

締め日が複数ある

「この取引先の仕事は20日締め、この取引先の仕事は月末締め」と締め日が混在しているため、どれを請求して良いのかが、ぱっと見で分からない。

取引金額が小さい取引先は、締め日を間違えることもある。

転記をしている

手帳からメモ、メモからエクセルと、2回も転記をしているため、単純に転記に時間がかかるのと、転記の際のミスがないか、後からチェックをする必要がある。

取引先ごとに請求単価が違う

A建設は1人あたり2万円/日、B工務店は1人あたり1万8千円/日等、取引先ごとに単価が違う。

中には「消費税アップ分を後から値引き」というところもあり、別途計算が必要になっている。

 

一つ一つは大した手間じゃなくても、これらが重なってくるとかなりしんどい作業です。

半日~まる一日かかるのも無理はありません。

 

システム化のポイント

 

毎日、その日の作業実績を入力してもらう

仕事として、まとめてやった方が効率が良い場合と、その都度やった方が効率が良い場合とがあります。

日々の実績は時間が経つと忘れてしまうので、まとめてやると後からよく分からなくなってしまうため、毎日「どこの現場に、誰々が行った」というのを入力してもらうようにしました。

入力の際、名前の入力間違いが起こらないように、入力する値はリストから選べるようにしています。

 

締日、取引単価は、マスターから呼び出すようにする

締日、取引単価は、その都度確認するのは手間なので、マスター(一覧)から呼び出してくる形にしました。

こうしておくことで、間違うことも無くなります。

 

請求書は、日々の入力分を集計することでボタン一つ出るようにする

日々入力されたデータがあるので、請求書はわざわざ入力することなく、ボタン一つで出力されるようにしました。

このボタンを押すだけ

 

システム化の効果

実際にシステムを作った後で、依頼主さんと効果検証をしました。

 

請求書作成時間の短縮

これまで請求書の作成に、半日~まる1日かかっていたのが、出力したもののチェックだけで良くなったので、1時間あれば請求書が発行できるようになりました。

 

精神的ストレスの軽減

以前は、締め日になると「請求書を発行しないと・・・」と憂鬱になる時もあったようです。

「間違わないように入力しないと」ということで、かなり集中しながら作業をして請求書を発行し終えた後はぐったり疲れていましたが、そのようなストレスも無くなりました。

 

予算的にも「5万円以内で作って欲しい」ということでしたが、充分5万円以内に収まりました。

結果として、とても満足していただいたシステムです。

 

ITの専門家にお問合せ下さい

 

今回の事例のように、これまで「面倒くさい」と思いながらも当たり前のようにやっていた業務は、IT化によって劇的に楽になる可能性があります。

やっぱり餅は餅屋で、ITの専門家に聞いた方が早いことも多々ありますので、お気軽にご相談くださいね。