先日、小規模製造業(従業員15人程度)でリスキリング教育を行い、内容はほぼ生産管理システムを作るためのノウハウ、という形になりました。
私も、最初は実際に作れるのか半信半疑なところはあったのですが、いざ実際に作ってみると、小規模の製造業にはこれで充分、と思いましたので、小規模製造業向けの生産管理システムの作成例を紹介します。
生産管理システムは高い
私のITコーディネータとして、いろんな会社のIT導入・利活用に関わっていますが、パッケージの生産管理システムは、小規模の製造業にとっては高価すぎると感じています。
もちろん、パッケージになっているので、いろんな機能があらかじめ用意されている、というメリットはあるのですが、その会社にとっては不必要な機能もあることは否めません。
また、ほとんどの場合、パッケージをカスタマイズしていたり、エクセルでの管理がそのまま残っていたりするので、であれば必要な機能だけを安価なプラットフォームを使って作る方が得策な場合が多いと思っています。
使用するツール
一から生産管理システムを作るのはかなり難易度が高いため、今回は「ピジョンクラウド」というツールを使って作ります。
月額5千円(5ユーザーの場合)かかりますが、作りやすいし、いろいろな用途で使えますので、生産管理システムに結構なお金をかけるより、よほど安価です。
ピジョンクラウドの作り方については、別の記事でも紹介していますので、そちらをご参考にしていただければと思います。
マイクロソフト365をお使いであれば、PowerAppsを使うのも良いと思います。(ピジョンクラウドよりは難易度が高いですが)
生産管理システムの作成例
生産管理システムと一口に言っても、どんなシステムを作るかは、企業によって違ってきますが、おおまかに言ってQCDを管理するのが生産管理システム、と言っていいと思います。
Q・C・Dのそれぞれの観点で、簡単なフォームを作ってみました。
Q: 検査報告書
Quality、品質管理の面では、検査報告書を作っていますよね。
紙でチェックしているので、データとして残っていなくて、データを活用できていない、という悩みを抱えている企業も多いです。
お客様からクレームがあっても、どの検査分かを調べるために、昔の検査報告書を書庫から探して・・・という話も聞いたこともあります。
ピジョンクラウドを使うと、検査報告を簡単にデータベースにすることができます。
入力もしやすくなることが多いと思うので、データ自体もきちんととれるようになります。
C: 製造日報
Cost、利益管理の面では、製造日報を作られているところが多いです。
こちらも、紙で提出された日報があって、それを事務員さんが後から入力している(が、忙しい時は入力できずに溜まっていく)、結果としてデータをうまく活用できていない、コスト管理ができていない、というお悩みの会社も多いと思います。
こちらも、クラウドで入力してもらえば、後から転記する必要がないので、とても楽です。
日報用紙をコピーしておく、といった作業からも解放されます。
D: 生産計画
Delivery、納期管理の面では、生産計画が挙げられます。
今回は、受注生産の会社の受注管理→生産指示への展開例を作ってみました。(研修で作ったものそのままです)
入力したものを「作業指示書」として出力できたり、カレンダー表示をさせることが可能です。
計画生産の会社の場合は、在庫管理をする必要がありますが、それは今、別の会社で研修をしているので、良いものができたらこちらで紹介します。
まとめ
クラウドの良いところは、特にソフトをインストールする必要がないため、作ったら即、現場に展開できます。
実際に作ったものを見たいという方は、お問合せフォームより連絡いただければ、ZOOM等で作成例をお見せしますので、ご連絡くださいね。