小さな会社がホームページを作る際に知っておくこと

こんにちは、東広島市のITコーディネータ、吉井良平です。

 

補助金の申請支援の仕事に関わっていると、小規模企業、個人事業主からのIT化依頼は「ホームページ作成」がダントツに件数が多いです。

「自分の会社でもホームページが欲しい」「昔作ったホームページは古臭いので、新しいものに変えたい」と思っている方が、たくさんいらっしゃるということですね。

 

で、現場に行っていろいろ説明するのですが、ホームページについて基本的なことを御存じない方も結構いらっしゃるので、今回は「ホームページを作成する際に知っておいた方が良いこと」をまとめてみました。

 

ホームページには、3つのものが必要です

 

まずホームページとは何ぞや・・・という話から始めようかと思いましたが、それはそれで難しいので、一般的に日本で「ホームページ」と呼ばれているものをホームページとして呼びます。

「ホームページ」というのは和製英語で、英語では「ウェブサイト(website)」です。
ウェブサイトの一部がホームページで、ブログもウェブサイトの一種で・・・とか言っていると大変なので、もうホームページで通します。
詳しく知りたい方は、調べてみてくださいね。
で、ホームページがホームページとして成り立つためには、3つのものが必要です。
  1. コンテンツ(内容)
  2. ドメイン(アドレス)
  3. サーバー(コンテンツの置き場所)

 

「そんなのどうでも良い」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、結構重要なので、しばらくお付き合いください。

この仕組みを知っておくと、年間数万円節約できる可能性があるのと、ホームページを作り変える際のトラブルが減ります。

 

コンテンツ(内容)

 

コンテンツ(内容)は、ホームページの目に見えている部分に関するものです。

文字であったり、画像(写真)であったり、コンテンツによって目に見える部分が変わります。

ホームページを訪問してくれた方に見せる情報そのものです。

 

ドメイン(アドレス)

 

ドメインは、簡単に言うとホームページのアドレスのことです。

このブログのドメインは https://deskworklabo.jp ですが、ドメインが無いとホームページにお客さんがたどりつけません。

ということで、ホームページにはドメインが必要です。

 

サーバー(コンテンツの置き場所)

 

ホームページのコンテンツを置いておく場所、入れ物です。

「コンテンツをどこかの場所に置いておいて、その場所にドメインを紐付けて、インターネット上で見れるようにしている」というのが、ホームページの仕組みです。

ホームページを24時間365日見ることができるように、置き場所も24時間365日稼働している必要がありますので、サーバーについては専門の業者(レンタルサーバー)を利用するのが普通です。

 

マイホームを建てる例で考えてみましょう

 

もう少し分かりやすくするために、マイホームを建てる例で考えてみましょう。

マイホームを建てる際には、「家」という建物が必要です。この建物が、ホームページでは「コンテンツ(内容)」になります。

立派なおうちです

 

家を建てるためには、土地が必要です。ホームページでは、コンテンツを置く場所の「サーバー」が、この土地にあたります。

役所に届けたり、家に配達物を届けてもらうためには、住所が必要です。これがドメイン(ホームページアドレス)です。

 

サーバーとドメインは、自分で契約しましょう

 

「ホームページのリニューアル」という案件で相談があった場合、サーバー、ドメイン、コンテンツを全て業者さんまかせにしている例が多く見られます。

それはそれで面倒な手間が省けて良いのですが、できるだけ自分の会社でサーバー、ドメインを契約しましょう。

 

コスト面

サーバー、ドメインを業者に手配してもらうと、「ホームページ維持費」という形で、業者さんから請求がきます。

実際にレンタルサーバーにかかる費用は、月額1,000円ぐらいです。

※このサイトは、エックスサーバーを利用していますが、ちょうど月額1,000円です。(2018年時点)

エックスサーバー価格表

ドメインの維持にかかる費用は、年額2,000円~3,000円ぐらいです。

ムームードメイン価格表

 

ということで、ホームページの維持費は大体、月額 1,200円~1,300円ぐらいのものです。

ホームページ作成業者まかせにした場合、業者によっては、毎月の維持費を3,000円~4,000円と請求してきます。

金額としてはそこまで大きくないですが、払わなくて良いお金は払わない方が良いですよね。

 

ホームページリニューアル時のトラブル防止

 

「ホームページが古くなったので変えたい」ということで、ホームページをリニューアルすることもよくあります。

 

その際、「ホームページ(コンテンツ)はリニューアルするけど、ドメイン(ホームページアドレス)は変えない」という例がほとんどです。

「これまで、このアドレスでお客さんに連絡していたので」「名刺や広告などに、ホームページアドレスを印刷してあるものが残っている」「メールアドレスを、ドメイン名で作っている」等々の理由で、ドメインを変更すると不都合が生じます。

 

先ほどの家の例で言うと、「建物(コンテンツ)だけ変えたい」という要望がある場合、土地と住所を自分で契約しておけば、建物だけを変えるのはすぐにできます。

土地と住所を業者が契約していると、もし違う業者に建物を作ってもらおうとしても、「土地と住所を譲ってください」と言わないといけなくなります。

 

実際には、土地(サーバー)と住所(ドメイン)を譲ってくれないことはほぼないと思いますが、忙しかったら後回しにされたり、名義変更の費用を請求されたり等々の可能性はあります。

 

サーバーとドメインを契約する手間は大したことないので、ホームページを業者に作ってもらう場合でも、出来る限りサーバーとドメインは自分で契約しましょう。

 

業者さんの方から、「サーバーとドメインは、御社で用意してください」と言われることもありますので、その際は面倒くさがらずにきちんとやりましょうね。

その場合、業者さんが手伝ってくれると思いますが、業者さんが手伝ってくれない場合は、今はググれば分かりやすいサイトにたどり着くと思いますので、粛々とやってみてください。

※もちろん月々数千円であれば、業者に任す、という選択肢もあります。自覚してその選択肢を選んでいるのかが重要です。

 

ホームページを作る目的を考えましょう

 

趣味のホームページを作る場合は自分の好きなように作れば良いのですが、ホームページは自分の会社の事業に役立つものにしないといけませんよね。

ホームページを作るのに時間もお金もかかりますので、仕事としてやるからには、その投資対効果も考えないといけません。

「何のためにホームページを作るのか?」ということを考えてみましょう。

 

商売に合わせた目的があります

 

ホームページを作る目的は、会社の業態、戦略によって変わってきます。

高額商品を取り扱っているのか、低価格の消耗品を取り扱っているのか、個人相手に商売をしているのか、会社相手に商売をしているのか、仕事によって、見せ方が変わってきますよね。

または、「最近は商売のため」というよりも、採用のためにホームページを作る、という会社もあります。

この辺りはITというより、経営やマーケティングの分野になりますので、この記事ではあまり紹介しませんが、代表的な例を書いておきます。

 

  • ホームページから商品を販売したい(ネット販売、Eコマース)
  • ホームページを見た方に、資料請求をしてもらいたい(見込み客の収集)
  • ホームページを見た方に、お店に来てもらいたい(集客)
  • 自社の商品を詳しく知ってもらいたい(商品紹介)
  • 自分の会社の信頼度を向上させたい(会社案内)
  • 求人の際に、自分の会社に良い印象を持ってもらいたい(採用)

等々

 

目的を考えると、あれもこれも・・・とたくさんの目的が出てくるかもしれませんが、中小企業・個人事業主では、体力的に全ての面をカバーすることは、実際には不可能です。

目的を絞った方が効果が表れやすいので、目的は2つか3つぐらいに絞りましょう。

「ホームページは、365日24時間働いてくれる営業マン」という言い方をしている人もいます。私もその通りだと思います。

上手くやれば、仕事の成果に必ず結びつきますよ。

 

ホームページのイメージを固めていきましょう

 

ホームページを作る目的を決めたら、どんなホームページを作るのか、イメージを固めていきましょう。

この辺りも奥が深い世界ですが、中小企業・個人事業主の方には、下記の方法をお勧めしています。

 

他社のホームページを見る

 

ゼロからイメージを作ることは、なかなか難しいです。

なので既にあるホームページを見て、自分なりのイメージを作っていきましょう。

 

ライバル会社のホームページ

 

ビジネスというのは競争なので、ライバル会社に勝てば良いのです。

まずはライバル会社のホームページを見て、どのぐらいのレベルかを確認しておきましょう。

 

同業他社のホームページ

 

直接のライバルではなくても、他の地域で同じような商売をしている会社は、日本全国津々浦々にあります。それぞれの会社が、いろいろ工夫しながらホームページを作っていますので、ぜひ参考にさせてもらいましょう。

 

同業他社といってもたくさんありすぎるので、調べ方に困った場合は、下記の方法を参考にしてください。

 

1. 自分の住んでいるまちと同じぐらいの人口規模のまちを調べる

地域で商売をしている場合、都市の規模によって仕事のやり方が変わってきます。

 

例えば私の前職はスポーツ業界ですが、東京のスポーツ店と人口10万人ぐらいのまちのスポーツ店では、戦略の立て方が違っています。

東京みたいな大きな市場では、野球なら野球、サッカーならサッカー、バスケならバスケ、店売りに特化する、外商に特化する、というような、専門性を高めることが深い商売につながります。

人口10万人ぐらいのまちだと、市場がそこまで大きくなくて1つの分野に絞ると商売が成り立たないので、まんべんなく商売をする必要があります。(最近はネット販売もあるので、地方でも専門性が必要になってきていますが)

 

ご自分が仕事をされているまちと同じぐらいの規模のまちであれば、ビジネスモデルが同じである可能性が高いので、まずは自分のまちと同じぐらいの規模のまちを探してみましょう。

 

「自治体 人口 ランキング」という検索ワードで検索すると、全国の市区町村の人口ランキングが出てくるはずです。

例えば、私の住んでいる広島県東広島市は人口19万4千人なので、同じ人口が19万人台の三重県鈴鹿市、山口県山口市、千葉県八千代市、新潟県上越市の同業者は、ビジネスモデルが同じ可能性が非常に高いです。会社の売上高も、自分の会社と近い可能性が高いです。

 

2. お客様が調べるであろう言葉で検索をしてみる

次に、調べた市で、お客様が調べるだろう検索ワードで、実際に検索をしてみます。

例えば、東広島市でリフォームをされている会社だと、「鈴鹿市 リフォーム」「山口市 リフォーム」「八千代市 リフォーム」「上越市 リフォーム」という言葉で検索してみます。

そうすると、いろんな会社のホームページが出てきますので、検索の上位3位ぐらいまでをじっくり見てみましょう。

大体、10社ぐらいのホームページを見ると、「自分の会社のホームページは、こんな感じにしたいな」という会社が2~3個見つかるはずです。

 

3. 顧客目線でチェックする

参考にするホームページを2~3社に絞ったら、そのホームページを詳しく見ていきましょう。

チェックする際は、ホームページを見る人(大体の場合はお客様)の立場に立ってチェックします。

 

  • ホームページを誰に見て欲しいのか
  • ホームページをどこで見るのか(例:家でスマホで/会社でパソコンで)
  • ホームページを見る人は、どんな悩み、ニーズを持っているのか?
  • ホームページを見た後で、どんな行動を起こしてほしいのか?

 

その辺りを考えながらチェックしていきましょう。

お客様は、その業界に詳しくないことがほとんどです。業界に詳しくない人の目線で、どれだけ親切に書いてあるかを、チェックしましょう。

「これでもか」というぐらい、親切なホームページの方が、効果が出やすいです。

 

実際にお客様に見てもらうのも一つの手です。

一人で見るよりも、何人かでワイワイガヤガヤガヤ意見を出すと、いろんな意見が出てきますよ。

 

実際にホームページを作っていきましょう

 

だいぶ作りたいページのイメージが固まってきましたよね。

では実際にホームページを作っていきましょう。

 

予算を決める

 

まずホームページを作るのにかけられる予算を決めましょう。

ホームページはピンキリで、無料で作ることもできますし、数百万円かけて作ることもできます。

ホームページを作る目的(売上アップ、ブランドイメージ向上など)から考えて、予算を決めていきましょう。

業界によって広告宣伝費にかける予算は違いますが、平均的には期待する効果の十分の一~二十分の一ぐらいの間かな、と思います。(500万円の売上アップを狙うのであれば、ホームページに25万円~50万円の予算を用意する)

※一般的には、B to C(顧客と直接商売する)のビジネスの場合は、イメージが大事なので、ホームページにかける予算が大きくなります。B to B の場合は、あまりそこまでお金をかける必要はありません。

やはりお金をかけると良いものができる(ことが多い)ので、効果が期待できるのであれば、予算も用意しておきましょう。

 

ホームページに関しては、小規模事業者持続化補助金を使うことができる場合が多いです。

補助金の活用についても、ご相談に応じますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

作成方法を決める

 

実際に、ホームページを作る方法を決めていきましょう。

ホームページを作る方法は、おおまかに分けると2つです。

自分で作る

予算をおさえつつ作る場合は、自分でホームページを作ることになります。

最近は、無料~月額制で簡単にホームページが作れるサービスもあります。また、ワードプレスを使ったホームページでも、数万円のテーマ(テンプレート)を購入すれば、それなりに良いホームページを作ることができます。

ワードプレスというのは、簡単に言うとホームページやブログを構築するための仕組です。ホームページ作成業者も、ほぼこのワードプレスの仕組みを使ってホームページを作っています。(このブログもワードプレスを使っています)
無料~月額性でホームページが作れるサービスの例
ワードプレスのテーマの例

いろんな有料テーマがありますので、探してみてください。

 

月額制サービス、ワードプレスのどちらでも良いと思いますが、「サーバーとドメインは自分で持っておいた方が良い」という原則に従えば、ワードプレスを使って作る方を、私はおススメします。

 

自分で作る場合は、「ホームページの作り方」の本を買ったり、ネットで検索したりして、作ることになります。

デスクワークラボでも、基本的なホームページの作り方を教えることができますので、ご希望の場合はご連絡下さいね。

 

ホームページ製作業者に作ってもらう

 

ある程度予算もあり、やっぱりプロに作ってもらいたい場合は、ホームページ制作業者に依頼して作ってもらいましょう。

凝ったデザインにしたい、動きのあるホームページにしたい、等の希望がある場合は、やはり自分で作るのは難しいです。

 

ホームページ製作業者は、はっきりいってピンキリです。

特に資格が必要ないので、多少なりともホームページが作れれば、誰でもホームページ制作業者を名乗ることができます。

決まった業者がないのであれば、いくつかの業者を当たって比較をしてみましょう。

 

その際に、

  • 知り合いの経営者にどの業者で作ったかを聞く
  • 製作業者のホームページを見て、過去の作成事例を見る
  • 参考にするホームページを連絡して見積をもらう
  • 実際に会ってみて、フィーリングが合うかどうか

等、総合的に評価して判断しましょう。

 

知り合いの経営者に聞く場合は、見た目のキレイさよりも、実際にホームページを作って効果があったのかどうか、を確認しましょう。

見た目だけキレイに作って、実際に効果に結び付かない例も数多くあります。

(他社サイトのチェックのところでも書きましたが、お客様にとって親切なページが効果が出やすいです)

 

「どこに依頼すれば良いか分からない」という場合は、デスクワークラボでもホームページ制作ができますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

ホームページを作ってから

 

実際にホームページができたら、ホームページを作った当初の目的が達成されているか、確認しましょう。

ホームページへのアクセス数は、Google Analytics(グーグルアナリティクス)というツールで調べることができます。(無料で使えます)

どんなキーワードで検索されているかを調べるには、Google Seach Console(サーチコンソール)というツールで調べることができます。

 

調べ方を覚えて自分で分析することもできますし、製作業者によっては毎月のレポートをしてくれるところもあります。(別契約です)

 

この辺りは、SEO(サーチエンジンオプティマイゼーション、検索最適化)と言われている分野です。

 

「ホームページを作っただけで満足してしまう」では、せっかく費用をかけたのにもったいないです。

より多くの人に訪問してもらえるサイトになるよう、改善を続けていきましょう。

 

デスクワークラボでも、SEOの確認ができますので、やり方が分からない方はお気軽にお問合せ下さい。

 

ブログを書きましょう

 

ホームページ自体を更新するのは大変ですが、ブログの更新はすぐできます。

最初は「何を書けば良いのか・・・」と悩みますが、自分らしさ+会社の仕事の紹介ができていれば、基本的には何を書いても問題ありません。

毎日は無理でも、月に1回でも更新していけば、必ず何かの効果が出てきます。

 

見た目がキレイなホームページで、中身も親切で、「問い合わせしようかな・・・」とお客様が思ったとしても、最終更新日が1年以上前だと、「ちゃんと営業をしているのかな?」とお客様が不安になって、結局、他のページを見に行ったりすることもあります。

 

「継続は力なり」頑張ってみてくださいね。

 

まとめ

 

概略になりましたが、ホームページを作る際に知っておいた方が良いことをまとめてみました。

自分の会社に合ったホームページを作って、業績を上げていきましょう!

何か分からないことがあれば、お気軽にお問合せ下さいね。

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