職場の底上げにつながる力量管理表(スキルマップ)テンプレート

こんにちは、「仕事を楽に回そう」の吉井良平です。

私が以前いた会社では、ISO9001というのを取得していました。

ISO9001というのは、品質保証の規格の一つで、かんたんに言うと「仕事の手順によって品質を保証しよう」という規格です。

ISO自体はすごく良い仕組みだと思うのですが、やっぱり仕組みが形式化するところがあって、個人的にはイマイチ全面的に乗り切れない面があります。(ちゃんとやれば、もちろんとても良いものだと思いますよ)

それはさておき、ISOで作った書類の中で「力量管理表」というものがあって、これがものすごくおススメのフォーマットです。

この力量管理表を作ることで、職場メンバーの不足しているスキルがすぐ分かるようになり、教育計画も立てやすくなるので、職場全体のスキルの底上げにもなります。

「アイツは使えない」などとグチを言うことも減るはずです。

かんたんなダウンロード用テンプレートも用意していますので、ぜひ活用してくださいね。

力量管理表とは?

力量管理表とは、仕事をする上で必要なスキルを洗い出して、各メンバーがどのぐらいそのスキルをマスターしているか、を一覧に表した表のことです。

(※スキルマップと呼ぶこともあります・・・最近はその呼び名の方が一般的です)

どんなものかは、見ればすぐに分かると思いますので、昔作った管理表を思い出しながら作ってみました。

とてもシンプルです

左側に業務と、それに必要なスキルを書いていきます。

右側にメンバーそれぞれが、その業務をどれぐらいできるかを、○×で入力していきます。(フォーマットによっては、5段階評価をしていることもあります)

力量管理表を作るメリット

力量管理表自体はものすごく単純なフォーマットですが、このフォーマットを作ることで3つの大きなメリットがあります。

仕事の細分化ができる

みなさん、毎日いろんな仕事をされていますよね。

その仕事も、細かく分けるといくつかの業務に分解できます。

例えば、発注をするという一つの仕事は、

  • 今現在の在庫数が分かる
  • 将来的に必要な在庫数が分かる(販売数の予測ができる)
  • 発注から納品までのリードタイム(期間)が分かる
  • 現在発注済みで、未納品になっている数量が分かる
  • それらを計算して、発注数を算出できる
  • 発注書を発行することができる

という、業務に分解することができます。

そして、それぞれの業務に対して、必要なスキルがあります。

(パッケージ化したシステムがあれば、一つのスキルで全て対応できますが)

仕事を細分化する方法はいろいろありますが(プロセスマップや業務フローなど)、この力量管理表でも細分化をすることができます。

不足しているスキルが一目瞭然になる

よくある話で、上司が部下に対して「アイツは仕事ができない、使えない」とかレッテルを貼ることがありますよね。

そんなことを言っているヒマがあったら、この力量管理表を作りましょう。

「仕事ができない」とされている人は、「どの部分ができていないのか」ということを、この力量管理表で明確化することができます。

教育計画が立てやすくなる

不足しているスキルが分かったら、そのスキルを教育すれば良いだけの話です。

教育計画を作って、「3ヶ月以内にできるようにする」などと納期を設定すれば、3カ月後にはできるようになっています。(もちろん、計画通りにいかないこともありますが)

習得するまでにものすごく時間がかかる業務もあります。

一説によると、人間が一つの業務に習熟するには10,000時間かかるといわれています。人を指導するレベルまで習熟しようとすると、そのぐらいの時間がかかることもあります。

でも、とりあえずこなすことができるようになるまでには、数時間あれば大丈夫、というスキルもたくさんあります。誰でもできるけど、やったことがないからできない、教えてもらってないから出来ない、という類いのスキルです。

そういったスキルは、この力量管理表を作ることで、すぐにつぶすことができます。

不足しているスキルを埋めていくことによって、職場全体の底上げがされてきますので、その職場の生産性も確実に上がります。

ちょっと余談になりますが、一番スキルが低い人に合わせて仕事のレベルが変わってくることってありますよね。

スポーツでも、一つのポジションが穴だったら、その穴ばかり狙われることになります。

仕事でも、こういった穴を無くしていくことって、かなり重要なのです。

(ドラムバッファーロープという専門用語もあります)

「仕事ができない」と言われる方だって、「そんなこと聞いてないよ~」と思うことだってありますよね。そういったムダな感情の行き違いが起こることも減ります。

これも無視できない効果ですよね。

力量管理表のテンプレート

作成例です

力量管理表のフォーマット自体は、エクセルに罫線を引いていくだけなので、とりたてて必要なテクニックはありません。

一回作ったら、半年ごとなど定期的に見直しをしていくことが重要です。

半年前に比べて◎や○が増えて、×が減っていることを、目で見て管理していきましょう!

今回作ったのは、ざっくりとしたフォーマットですが、事務系の職場であればこのぐらいの管理で充分です。

下記のボタンからダウンロードできます。

ダウンロード

まとめ

力量管理表を作ることで、仕事の細分化ができて、メンバーに不足しているスキルが分かりやすくなり、教育計画も立てやすくなります。

定期的に力量管理表を更新していくと、職場の底上げも目でみて実感できるようになります。

○とかの記号を得点にして、総合点を出したりしても良いです。

まだ作ったことが無い方は、ぜひ試してみてくださいね。

業務の細分化について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にどうぞ。

仕事を「見える化」する 業務フローのかんたんな作り方

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