偏差値をビジネスで応用する~知って得する活用法

こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。

 

偏差値って・・・ご存じですよね。

昔、受験の時についてまわっていたアレです。

 

私も社会人になって、ほとんど耳にしたことがありませんでしたが、このサイトを始めてから使い方を探っているうちに、実はビジネスにもすごく使えることを発見しました。

種類の違うデータを同じ尺度で比較することができるので、会社の総合力評価などに使えます。

 

これまで仕事でほとんど偏差値を使ったことが無かった人は、ぜひ一度使ってみて下さいね。

偏差値とは?

 

偏差値がどんなものかは、皆さん受験の時に嫌というほど見てきているので、感覚的に分かりますよね^^

私も文学部出身なので、数学的なことは良く分かりませんが、ともかく「平均からどのぐらい離れているか」を表した値です。

 

いくつか偏差値の説明があるページがありましたが、こちらのページ(データサイエンス・スクール)を紹介します。

 

偏差値の求め方

 

偏差値は、下記の式で求められます。

 

偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50

 

ちょっとややこしいですよね。

標準偏差とは、データのバラつきを表す値です。興味のある方は調べてみて下さい。(なかなか分かりやすいサイトが無いんですよね・・・)

 

まぁでも標準偏差がどういうものか分からなくても、偏差値は求められます。さっそく実際に偏差値を求めてみましょう!

 

プロ野球のデータで標準偏差を求める

 

普通にテストの点だと面白くないので、プロ野球のデータから標準偏差を求めてみましょう。

(このデータは、日本プロ野球機構ホームページの成績・記録欄から取得しています)

 

私はカープファンなので、セントラル・リーグの成績データとさせていただきます^^

 

2016年5月9日時点

このデータを見ると、率で計算されているものもあり、数で出されているものもあり、0.2~0.4の範囲内に収まっているデータがあれば、100を超えるデータもあって、バラバラですよね。

各チームの値が全体のどのぐらいなのかも、データをよく見ないと分からないし、あまり細かいところまではつかめません。

 

なので、ここはそれぞれの値の偏差値を求めてみましょう。

 

実際に偏差値を求めてみる

 

ここで、あらためて先ほどの式を見てみましょう。

 

偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50

 

まず平均値を求める

 

平均値を求めるのは、AVERAGE関数ですね。

=AVERAGE(値の範囲) で、平均を求めると下図のようになります。

 

平均値を求めた

次に標準偏差を求める

 

標準偏差を求めるには、STDEV.P関数を使います。(エクセル2007までは、STDEVPとカンマ無し。エクセル2010以降でも、カンマ無しでも大丈夫です。)

=STDEV.P(値の範囲) で、標準偏差を求めたのが下の図です。

 

標準偏差を求めたところ

これで、データのバラつきが出てきました。

 

偏差値を求める

 

再度、偏差値を求める式を書きます。

 

偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50

 

各球団の値から平均値を引いて、それを標準偏差で割って、それを10かけた数字に50を足すと、偏差値がでます。

 

各球団の偏差値

データをコピーするために絶対参照にしたりしていますが、さきほどの公式通りに式を入力して偏差値を求めました。

防御率と四球数に関しては、少ない方が良い値なので、( 値 – 平均値 )のところを( 平均値 – 値 )に変更する必要がありますので、付け加えておきます。

 

これで、バラバラだった値が一つの尺度で見えるようになりましたね。

広島はほとんどの値が中日より良いのに2位ということは、監督の采配の差ですかね・・・とか、DeNAは投手力はずば抜けているけど打線がちょっとね・・・、逆にヤクルトは打線は良いけど投手力がね・・・など、ただの数値よりは分かりやすくなっていますよね。

 

レーダーチャートが作れます

 

同じ尺度で評価できるようになると、レーダーチャートが作れるようになります。

これも簡単なので、作ってみましょう。

 

レーダーチャートの作り方

 

まずチャートにするデータ範囲を選択して、チャートの挿入をクリックします。

レーダーチャートの作り方

その中からレーダーチャートを選んでください。

すると、こういうチャートが出てきますね。

レーダーチャートができた(見栄えは少し調整しています)

これだとちょっと見にくいので、お目当てのチームのみのデータを残してみるとこうなります。

 

DeNAとヤクルトのみを残した

こうしてみると、各チームの戦力比較が目に見える形で分かるようになります。

レーダーチャートは、総合的な比較をしたい場合に役立つグラフです。

 

自動車業界のデータで偏差値を求める

 

もう一つ例をあげてみましょう。

こちらの方がビジネスに直結して、仕事で使えるイメージが湧きやすいと思います。

(データは、業界動向SEARCH.comより抜粋しました)

 

まずデータを入力して、平均と標準偏差を求めます。

売上や利益などの平均と標準偏差

ここから、偏差値を出してみました。

自動車業界の2015年偏差値

こうして偏差値として出してみると、ただ数値として見ているのとは違う視点が生まれてきますよね。

 

こんな感じで業界の実績を比較したり、商品毎の性能を比較したり、偏差値はいろいろなことに使えます。

 

まとめ

 

私もほとんど偏差値を使ったことが無かったのですが、実際に使ってみるといろんなことに応用できそうです。

偏差値と聞くと、受験時代のネガティブなイメージがあるかもしれませんが、テストの値だけに使うのは非常にもったいないです。

業界内での他社との比較、尺度の異なる指標の相対化等にご活用くださいね。

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