こんにちは、デスクワークラボの吉井良平です。
偏差値って・・・ご存じですよね。
昔、受験の時についてまわっていたアレです。
私も社会人になって、ほとんど耳にしたことがありませんでしたが、このサイトを始めてから使い方を探っているうちに、実はビジネスにもすごく使えることを発見しました。
種類の違うデータを同じ尺度で比較することができるので、会社の総合力評価などに使えます。
これまで仕事でほとんど偏差値を使ったことが無かった人は、ぜひ一度使ってみて下さいね。
偏差値とは?
偏差値がどんなものかは、皆さん受験の時に嫌というほど見てきているので、感覚的に分かりますよね^^
私も文学部出身なので、数学的なことは良く分かりませんが、ともかく「平均からどのぐらい離れているか」を表した値です。
いくつか偏差値の説明があるページがありましたが、こちらのページ(データサイエンス・スクール)を紹介します。
偏差値の求め方
偏差値は、下記の式で求められます。
偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50
ちょっとややこしいですよね。
標準偏差とは、データのバラつきを表す値です。興味のある方は調べてみて下さい。(なかなか分かりやすいサイトが無いんですよね・・・)
まぁでも標準偏差がどういうものか分からなくても、偏差値は求められます。さっそく実際に偏差値を求めてみましょう!
プロ野球のデータで標準偏差を求める
普通にテストの点だと面白くないので、プロ野球のデータから標準偏差を求めてみましょう。
(このデータは、日本プロ野球機構ホームページの成績・記録欄から取得しています)
私はカープファンなので、セントラル・リーグの成績データとさせていただきます^^
このデータを見ると、率で計算されているものもあり、数で出されているものもあり、0.2~0.4の範囲内に収まっているデータがあれば、100を超えるデータもあって、バラバラですよね。
各チームの値が全体のどのぐらいなのかも、データをよく見ないと分からないし、あまり細かいところまではつかめません。
なので、ここはそれぞれの値の偏差値を求めてみましょう。
実際に偏差値を求めてみる
ここで、あらためて先ほどの式を見てみましょう。
偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50
まず平均値を求める
平均値を求めるのは、AVERAGE関数ですね。
=AVERAGE(値の範囲) で、平均を求めると下図のようになります。
次に標準偏差を求める
標準偏差を求めるには、STDEV.P関数を使います。(エクセル2007までは、STDEVPとカンマ無し。エクセル2010以降でも、カンマ無しでも大丈夫です。)
=STDEV.P(値の範囲) で、標準偏差を求めたのが下の図です。
これで、データのバラつきが出てきました。
偏差値を求める
再度、偏差値を求める式を書きます。
偏差値 = ( 値 – 平均値 ) ÷ 標準偏差 x 10 + 50
各球団の値から平均値を引いて、それを標準偏差で割って、それを10かけた数字に50を足すと、偏差値がでます。
データをコピーするために絶対参照にしたりしていますが、さきほどの公式通りに式を入力して偏差値を求めました。
防御率と四球数に関しては、少ない方が良い値なので、( 値 – 平均値 )のところを( 平均値 – 値 )に変更する必要がありますので、付け加えておきます。
これで、バラバラだった値が一つの尺度で見えるようになりましたね。
広島はほとんどの値が中日より良いのに2位ということは、監督の采配の差ですかね・・・とか、DeNAは投手力はずば抜けているけど打線がちょっとね・・・、逆にヤクルトは打線は良いけど投手力がね・・・など、ただの数値よりは分かりやすくなっていますよね。
レーダーチャートが作れます
同じ尺度で評価できるようになると、レーダーチャートが作れるようになります。
これも簡単なので、作ってみましょう。
レーダーチャートの作り方
まずチャートにするデータ範囲を選択して、チャートの挿入をクリックします。
その中からレーダーチャートを選んでください。
すると、こういうチャートが出てきますね。
これだとちょっと見にくいので、お目当てのチームのみのデータを残してみるとこうなります。
こうしてみると、各チームの戦力比較が目に見える形で分かるようになります。
レーダーチャートは、総合的な比較をしたい場合に役立つグラフです。
自動車業界のデータで偏差値を求める
もう一つ例をあげてみましょう。
こちらの方がビジネスに直結して、仕事で使えるイメージが湧きやすいと思います。
(データは、業界動向SEARCH.comより抜粋しました)
まずデータを入力して、平均と標準偏差を求めます。
ここから、偏差値を出してみました。
こうして偏差値として出してみると、ただ数値として見ているのとは違う視点が生まれてきますよね。
こんな感じで業界の実績を比較したり、商品毎の性能を比較したり、偏差値はいろいろなことに使えます。
まとめ
私もほとんど偏差値を使ったことが無かったのですが、実際に使ってみるといろんなことに応用できそうです。
偏差値と聞くと、受験時代のネガティブなイメージがあるかもしれませんが、テストの値だけに使うのは非常にもったいないです。
業界内での他社との比較、尺度の異なる指標の相対化等にご活用くださいね。