【小さな会社がERP(統合型業務ツール)を自分で作る方法】第1回:ピジョンクラウドで取引先マスタを作ろう

初めまして。
今回初めて記事を書かせてもらうことになりました。
安藤です。

この会社では開発やHP製作以外に、経理や総務のお仕事もさせていただいております。

2020年の12月に入社しまして、約2年半吉井さんと試行錯誤しながら
小さな会社の経理に携わってきました。

その中でピジョンクラウドというツールを使ってようやく形になってきたので、
ブログで連載形式にして今回から皆様にお伝えしていこうかなと思います。

ERPとは

ERPとは、会社の大事な資源に関わる情報を1つの場所で管理するシステムのことです。
大事な資源というのは、例えば、従業員や取引先、商品やその在庫、売掛金や買掛金のことです。

販売は販売管理システムで、経理は会計ソフトで、製造は生産管理ソフトで・・・
とたくさんのシステムを並行して使うのは面倒だし、全体像が見えないので、情報を1つのシステムで管理したい、と思いますよね。

でも、ERPを入れようとしても、小さな会社にとってはちょっと高いのが現状です。

弊社でも「小さな会社向けのERP」を調べてみましたが、今の会社の規模だと、そこまでの経費をかけることができません。

そこで、弊社ではERPのようなものを、ノーコードツールを使って、少しずつ作っていっています。

せっかく作ってある程度形になってきましたので、安価で簡単にできるERPツールの作り方を紹介していきます。
少し長くなるので、連載型にして投稿していきます。

実際の作り方を説明する前に、
ERPシステムを導入するメリットをご説明します。

ERPシステム導入のメリット

① サクサク進む

エクセルだとデータが多くなると開くのに時間がかかったり、
動きが遅くなったりしますが、
今回ご紹介するピジョンクラウドならどれだけデータが増えてもサクサク操作ができます^^

ピジョンクラウドはネットに接続するので、
ネット環境が悪ければ当然動きも悪くなりますが、
そうでなければ早い動作ができます。

ちょっとしたことですが、毎日のことなので動きが遅いと知らない間にストレスが溜まっていきます。笑

② 情報管理の一元化(1つの場所で管理)ができる

エクセルで管理をしていると、「この情報はここから拾ってきて、この情報はこっちから拾ってきて・・・」と、考えることも多くなり、単純に面倒くさいので、情報をうまく活用できないことが多々あります。

「あっちは更新したけど、こっちは更新していない」ということで、情報が二重になってしまって訳が分からないことになることも、よくあります。

データを共有フォルダで皆が見れるように、とルールを決めていても、個人のPCに保存してしまう人もいたりします。

で結局、「どれが最新版なんだ???」と思うこともありますよね。

その点、ERPにしていれば情報が統合されるので、情報をスッキリ管理することができるようになります。

すべての情報を連携させているため、1つの情報を変更させるとそれに関連する情報もすべて自動的に変更されます。

③ 情報共有がタイムリーにできる

②と少し被りますが、情報を変更すると紐付けられたすべての情報が自動的に変更されるので、
別の部署の方との情報共有がタイムリーにできます。

このエクセルは最新の情報が入力されているけど、
こっちのエクセルは前の情報のままで間違えてしまった、なんてことがなくなります^^

④ 業務の効率化

①②③のメリットによって、結果的に業務の効率化が図れます。

今までもエクセルでどうにかやってこれたから大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、
やはり人がやることはどうしてもケアレスミスが生じることがあります。

また、情報管理している人が変わった場合、色んなところで情報管理をしていると引継ぎが大変です。

このようなことを防ぐためにも、システムに任せられることは任せて、業務効率を上げていきましょう。

ピジョンクラウドでのERPの作り方

ピジョンクラウドとは

ピジョンクラウドについては、少し前の記事でも紹介したのですが、クラウドのデータベースソフトです。

流行りの言葉だと「ノーコードツール」です。

プログラミングのコードを書かなくても、それなりのシステム(業務アプリ)が作れます。

詳しい説明は、ピジョンクラウドのホームページ、及び開発元のロフタルさんのページを見てください。

ピジョンクラウド

株式会社ロフタル

他のノーコードツールと比較して、機能も充実していますし、価格も安価なので、導入してとても満足しています。

安心して紹介できるツールです。

全体の構成

弊社では、上記の図のようなデータ構成で簡易ERPシステムを構築しています。

(①の取引先マスタから順に、1つずつ作成方法の記事を作っていきます)

「②従業員マスタ」「③案件マスタ」「⑤日報データ」「⑥見積書データ」「⑦請求書データ」
は弊社で独自開発したエクセルと連携させて、生産性実績の確認をします。

会計は、freeeを使っているので、「⑥立替金データ」と「⑦請求書データ」はFreee会計に、データを取り込めるようにしています。
その記事を書く際に詳しく話しますね^^

「マスタ」と「データ」がありますが、
「マスタ」は「マスタテーブル」の略で、ERPシステムを構築するうえで必須のデータベースです。

まずこの「マスタテーブル」を作ってから、それを元に「名刺データ」や「日報データ」を作成していきます。

マスタテーブルとは

では実際にどのように作るのかを説明する前に、
マスタテーブルについての理解が必要です。

マスタテーブルとはERPを作成するうえでの根幹となる、
変更が頻繁に行われない基本的な情報が格納されたデータベースのことです。

文章にすると難しく聞こえますが、「従業員情報」や「取引先情報」などにあたります。

ERPシステムを作成するにあたって、一番初めにやることがマスタテーブルの作成です。

例えば、請求書を発行する場合。
まず、取引先の名前や住所を入力して、明細や金額を入力するかと思いますが、
また同じ取引先の請求書を発行する際、また名前や住所などを入力しないといけません。

明細や金額は請求書によって異なるのでいいですが、
名前住所はほぼ毎回同じですよね。

この毎回同じ情報であるデータがマスタテーブルとなるものです。

何度も同じことを入力するのを防ぐために、入力ミスを防ぐためにも、
最初にマスタテーブルを作ります。

今回作成するもの

今回は、取引先マスタを作成したいと思います。
ピジョンクラウドで業務管理をしていく中での根幹の部分です。

このマスタを元に他のデータと紐付けしていくので、
大事な部分です^^

データ項目

取引先マスタテーブルに必要なデータ項目

まず取引先情報のなにをデータ化するのか、データ項目を選定します。
このデータは会社によって異なっていくので、正解はありませんが
弊社の現在のデータ項目を参考として載せておきます。

番号項目名データ型入力内容
1取引先コード文字列(一行)頭に「T-」をつけ連番で指定
2取引先名文字列(一行)取引先の正式名称
3郵便番号文字列(一行)取引先の所在地郵便番号
4住所文字列(一行)取引先の所在地住所
5電話番号文字列(一行)取引先の主要電話番号
6代表メールアドレス文字列(一行)取引先の代表メールアドレス
7業種区分選択肢(単一選択)製造業,支援機関,運送業,建設業,小売業,卸売業,飲食業,教育,
介護医療,サービス業,金融機関,その他から選択
8地域区分選択肢(単一選択)東広島市内,広島県内,県外から選択
9請求区分選択肢(単一選択)請求先,買入先,送り先等から選択
10締日選択肢(単一選択)月末締,20日締,都度から選択
11備考文章(複数行)それ以外の注意事項

1~6、9、10はどの会社でも最低限必要な項目かと思います。


その他の項目は、フィルタ機能を使って必要な情報のみ表示したり、後から集計するときの区分として使うことができるので、取引先の把握をしやすくするために作っています。

後から項目を追加することもできますが、マスタを作る前に、「自社の業務には、どんな項目が必要か」ということ考えておいた方が良いです。

出来上がり入力画面

出来上がりの入力画面はこんな感じです。

まとめ

今回は、ピジョンクラウドで取引先マスタを作ってみました。

次回は従業員マスタ編について書こうと思いますので、
お楽しみにしてください^^

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